加味平胃散 (かみへいいさん)


【処方コンセプト】食べ過ぎ、飲み過ぎですぐに胃腸をこわすタイプの消化促進に。

消化を助け、食滞(食物が消化管内で停滞したもの)を取り除く平胃散にさらに消導薬(消化促進)の神麴、麦芽、山楂子を加えたもの。気の流れを改善し、胃腸の動きを正常に戻し、食べた物の消化を助ける。原方の平胃散は胃内に食毒と水毒が停滞しているのを、等しく平にするという意味で名付けられた。

加味平胃散適応症


◆平胃散に神麴、麦芽、山楂子を加え、消化促進を高めたスーパー平胃散ともいえる。食べた物の消化を助けるだけでなく、さらに消化しにくい胃腸の状態を改善する。

◆平素、胃腸機能は悪くないが、暴飲暴食など過食によって急性胃腸炎を起こしたものに用いられる。

◆慢性胃腸炎で食後腹鳴がおこり、下痢すればかえってさっぱりするものにも適している。胃部に水分停滞感があり、みぞおちがはって食欲の進まないものの健胃剤としてもよい。

◆食生活の乱れが続いたり、湿気の多い環境に長くいたりすると、脾虚証(胃腸虚弱)を呈してくる。そんな時、少し食べただけでも胃がもたれ、食欲がわかない。宴席や外食で無理して過食した時には、香砂六君子湯と併用するとよい。

【処方構成】9味

理気化湿(気をめぐらし余分な水分を取り除く)の平胃散に消導(消化器内の食物の停滞を除き、消化を促進する)の3味(神麴(シンギク)、麦芽(バクガ)、山楂子(サンザシ))を加えた処方である。平胃散は寒湿の邪を取り除き、神麴、麦芽はデンプンの消化に優れ、山楂子はタンパク質、脂質の消化を促進し、消化不良、食欲不振などのトラブルを改善し、胃腸をスッキリさせる。

生薬構成
  解表 利水 補養 理気 消毒 清熱 配合生薬数
生
姜
蒼朮 白朮 沢瀉 茯苓 藿香 扁豆 蓮肉 薏苡仁 人参 山薬 甘草 大棗 麦門冬 陳皮 桔梗 香附子 半夏 厚朴 縮砂 麦芽 神麴 山楂子 黄芩
  加味平胃散   ○ ○                   ○ ○   ○       ○   ○ ○ ○   9
  香砂六君子湯   ○   ○   ○ ○       ○   ○ ○   ○   ○ ○   ○         11
  補気建中湯     ○ ○ ○ ○         ○       ○ ○       ○         ○ 9
  参苓白朮散料       ○   ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○       ○       ○         10
処方名 類方鑑別
加味平胃散 暴飲暴食などで消化不良を起こし、お腹が張り、下痢をする方に。下痢をするとスッキリ。
香砂六君子湯 平素から胃腸が弱く、抑うつ傾向で、食欲がなく、みぞおちが痞え、悪心・嘔吐のある方に。
補気建中湯 食欲不振で疲れやすく、小便不利で腹水や浮腫を呈する方に。
参苓白朮散料 胃腸虚弱で疲れやすく、食欲がなく下痢が続くような方に。下痢をするとグッタリ。


      

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